あるアパートの住民から電話。
『エアコン壊れた、オレ死んじゃうよ』といきなりの声。
住所など聞くと、当店でもよくいくアパートでした。
アパートの設備なので、修理依頼の流れでは大家さんから依頼があるのが筋ですが、なんでも大家さんが留守なので、
直接当店に電話したという事でした。
修理代等考えると、大家さんから依頼があったほうが当店でも安心ですが、『このままだと死ぬ』と言われればね。
お伺いすると、16年前のエアコン。 もう手のつけようが無いくらいボロボロです。
何人もの住民が代わる替わる、使いいじめた感じの老朽エアコン。
入れ替えしなければなりません。・・・でも大家さんが留守。旅行に行っている?
2日前からこんな状態で、いろいろな病気を持っているこの方は、昼間は医療施設に避難しているとの事。
『大家さんの許可が無いと、エアコンは入れ替えられません』と告げると。
またしても、『このままだと脱水症状で死んでしまう と医者からも言われた』とまで。
去年の悪夢、エアコン工事が遅れた為に入院してしまったお客様がおりました。
今回も、もし大家さんの許可を待っている間に亡くなってしまったら。。。
そこで、見切り発車でエアコンを入れ替えることにしました。後から大家さんを説得する気で。
幸い、作業の途中、大家さんと携帯で連絡がとれ、承諾を得ることができました。
今頃涼しい部屋で寝てるんだろうな。あの住民。
いろいろな経営書に目を通すと、お客様に選ばれる店になれ、と同時に、お客様を選べと指南している。
『お客様を選べ』なるほどね。お金を戴いて商売することは、お互いの契約行為だとか。
その契約が出来ない、招かざる客を排除せよ。というところかな。
セブンイレブンだって、マクドナルドだって普通の会社はこの大前提で商売をしている。
さてウチはどうだろうか?
お金を払ってくれるか分からない方も、とりあえず受け入れている。
断ることができようか? 『死んじゃう』って言っているんですよ。
この街の電気の赤ひげ診療所になりつつある。
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