それはまるでトマト杯のようだった。
便器に広がる赤い水。
これが自分の体内から出てきた血液だと思うとゾッとする。
20年くらい前から時々、排便時に血が混じる事は分かっていた。 チリ紙に血が付く程度。
痛みは全くないのでそのままにしていた。
半年くらい前から、イボのような物が排便時に肛門から出てきて、押し込んでおけば収まった。
その時も時どき血液が混じる程度だった。
ネットで調べると、痔という事は分かっていたけど、支障はないのでそのままでいた。
ところが。
ここ10日間くらい、排便時に毎回のように便器が真っ赤になる。
それも、牛の乳しぼりのように、シャー、シャーと勢い良く血液が出てくる。
それが不思議な事にしゃがんだ姿勢によって、その勢いが変わってくる。
ボクの場合は背筋をまっすぐにすると、シャー、シャーと水面に音を立てるほど勢い良く血液が流れる。
前傾姿勢をとると、ポタっポタッと血の流れが収まる。
このまま放っておくと、血液無くなるんじゃないか?
そんな不安まで頭の中をよぎった。
でも、イボを押し込むと血は垂れてこないので、もしかしたら大腸は水分を吸収するところ、大腸の中で血液を吸収しているのではないか?
出血と吸収を大腸の中で行っている。これはまさにショートサイクルではないか?
そんな理工系的な発想をしてみるも、今置かれている自分の現実を冷静に考えてみた。
やっぱり医者へ行かなければ!!
時を悪くして、電気屋にとってはチョー忙しい繁忙期。
定休日まで待って医者へ行こう! そう決意して水曜日を迎えた。
医者はココと決めていた。 以前、焼肉を食べに行った時に目印になっていた病院、その病院のサテライト医院が通うには都合がいい。
ネットで調べても評価良いし、あとは直感で決めた。
患部が場所が場所だけに、女性専用日を設けているのも、好感持てた(まぁボクには関係ないけど)
専門病院なので、この病院へ入る人ほとんどが、同じ悩みを抱えた人たちだ。
恐らく病院の近所の人達も、その事は知っている事だろう。
少々こっ恥ずかしくて、その建物へは誰にも目を合わせず下を向いてススっと入り、エレベーターに入り込んだ。
ここでエレベーターに誰か乗っていたら、私は他の階のボタンを押していたかも知れない。
6階にあるカフェに行く振りをして階段で7階まで上がっていただろう。
幸いに誰も乗っていなかったので安心して7階のボタンを押した。
エレベーターから降りると、受付にまっすぐ進む。
受付で症状を聞かれるが、声に出さなくても良いように、箇条書きに症状の質問事項があって、指で指すだけで良かった。
声に出して、『お尻から・・・』とは言いづらいですからね。
しかも決まって病院の受付ってきれいな女性が多いですしね。
ソファには同士が座っている。よく見るドーナッツ型の座布団もある。
隣りの女性は深く帽子をかぶっている。
ボクの場合、不思議とここに来たらもう恥ずかしさも何もなくなってしまった。
みんな同じ悩みを持つ仲間なんだ。 何も恥ずかしくは無い。
順番が来て先生と対面。
経過報告と現状を説明、診断に入った。
あらかじめどんな診断をするか調べておいたので、『ベッドに横になって』と言われたとたん、
ほら来たぞ!これから自分の肛門を覗かれ、さらに指を入れられるんだ! そう思い、ズボンを脱いでパンツを脱ぎにかかったら、
看護師さんに、ズボンは膝まで下げて、パンツもチョット下げるだけで良いと言われ、ズボンをはきなおした。
横になりお尻を出し、先生に診断を仰ぐ。
指が肛門の中に入り、妙な感覚。 これで3回目かな?触診という診断。ん?5回目かな?たぶん。
そして次に驚いたのが、カメラを挿入した事でした。
ええ!大腸カメラ? 何も下剤も飲んで無いのに大丈夫なの?
そんな不安をするまでもなく、『はいモニター一緒に見ましょう!』と先生の声。
恐らく入口までのカメラなのかも知れない。
横になりお尻を突き出しながらでも見やすい位置にモニターはあり、まさしく私の肛門の中を映しだしていた。
かなり鮮明。内痔核というイボ痔で肛門の内側に、アマガエルが喉を膨らましたような薄い袋の中に血液が溜まっていた。
そしてカメラを挿入しただけで、血液がにじみ出ていた。
カメラを抜いてから座薬を2種類挿入された。 これはこれから毎日自分で挿入する薬という事だ、
診察は終わり、説明を受けた。
私の場合は内痔核のⅢ度という事で、手術が必要という事だった。
毎回手で押し込まないと内痔核が外に出てしまうという症状。
どうしよう? この時期に手術なんてできない!
そう思っていたら、先生から手術のタイミングは早急じゃなくても大丈夫。という事を聞いて安心した。
しばらく、座薬を使いながら手術のタイミングを考えるという事でも良いという事だった。
そして、どうしてこのような痔になってしまうのか? そんな説明も受けた。
この原因で当てはまる事が多い。
便秘はしないけど、下痢はよくする。 特に背油チャッチャ系のラーメンは食べると下痢をしやすい。これは体質的に私は消化しにくい油だそうです。
スッポンもそうだし、馬刺しのタテガミの部分も消化し難い成分でこれ食べると私は下痢をします。(まぁ頻繁に食べるものじゃないけどね)
下半身を冷やさないでビクッと来たのは私は渓流釣りが好きで、朝6時ころ川に入って、夕刻の6時頃まで昼飯も食べずに川に入りっぱなしという事もやってしまいます。
下半身を冷やしに行ったようなものです。 仕事で重いもの持って、リキムし。 お酒はガンガン飲んでしまう。
痔も生活習慣病ですね。
今回の診察は終わり、お風呂は良いという事で銭湯でゆっくりと温まり、帰ってきました。
家に帰って来て自分で入れる座薬は初めて。
昨年、尿路結石で座薬を入れたけど、それは看護師さんがやってくれた。
さすがに毎回誰かにやってもらうわけにはいかない。
始めての経験。恐る恐る座薬のパッケージを開けると、ロケット型の座薬がポロっと、二つに割れてしまった。
チョコレートが解けている感じに柔らかかった。 注意書きを読むと冷たいところに保管と書いてあった。
日中の暑い中、病院帰りに銭湯行ってゆっくりしていたのが悪かったようだ。
それでも割れた座薬を肛門に押し込んだ。
座薬は2種類あって、もう一つは旅館にある歯磨きセットの歯磨き粉みたいなチューブ。
この先を肛門に入れてチューブを押し出す仕組みの座薬。
これを入れようと再び肛門に。。。
ところがさっき入れた座薬がスポーんと抜け落ちてしまった。
さすがに落ちた座薬をもう一度入れなおすのは衛生上悪いと思い、新しい座薬をもう一度挿入してみた。
一回目の失敗で何となく分かった。 もう少し奥に入れ、されに入れたらお尻の筋肉を絞めるようにするのです。
実は私、ここ1っケ月歯磨きの時にかかとを上げて歯磨きをする訓練をしています。
これはお尻の肛門括約筋を鍛える事が出来るのです。 痔とは別な理由で始めましたが、これは好都合だった。
一本目の座薬を入れ、お尻をキュっと絞めて、奥に入り込んだ感覚を得てから、2本目のチューブ座薬を挿入。
これから私はこの行為を朝晩と2回行うことになった。
今、私がお伝えできるのはここまで。
こんな事ブログに書くなって恥知らずだと思う事でしょう。
でも、恐らく誰にも言えず悩んでいる人がきっといると思う。
そんな人が少しでも気軽さを思って病院へ行ってくれたら。そう思って恥さらしなブログを書いてみました。
経過報告は進展があったらまたブログに書こうと思います。