お客様がこういう事をしたい!
その望みを電気屋的な発想で叶えてあげるのが、街の電気屋の仕事。
『この商品が欲しい!』というのとは違いますよ。
それじゃ、ただの商品販売ですよね。
先日、同じ出汁と同じ味噌で味噌汁をグループに分けて作ったんだけど、どれも違う味。
人の手間を介して商品を提供すると、同じ商品でも違うようになります。
今日はそんな事例です。
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古い木造住宅のS様。
2階建てです。 2階にあがる階段にはペンダント照明が吊り下がっていました。
普通、階段の照明は3路スイッチと言って、1階と2階にそれぞれスイッチがありどちらのスイッチからも入り切りできるようになっています。
ところがS様のこの階段照明にはスイッチがありませでした。
照明器具にプルスイッチがあって、1階から上がってくるのに暗い階段を上がり照明のスイッチを付けるという、不便な生活をしていました。
夜になると懐中電灯を持って上がるそうです。
何の為の照明器具でしょうね。
それじゃ3路スイッチを配線すれば。。。。
電気屋なら当然、このような提案をします。
『古い家なんで費用は掛けたくないんですよ』とS様。
出来る限り低予算で望み通りに出来ないか考えました。
照明の笠などは要らないということなので、レセップというソケットだけの器具を使用して、センサー付LED電球。
これであれば、階段に足をかけると、自動的に点灯します。
わざわざ暗い階段を上がってスイッチを入れに来ることも必要ありません。
『我が家も近代的になったワァ~』 と喜ぶS様。
自動で消える事に不思議がっていました。
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今回の事例では、最終的にはセンサー付きLED電球だけの販売で終わりました。
同じセンサー付きLED電球でも、トイレでパーッと点くのを知ってて購入する人と、今回の方のように、長年の不便さを解決してくれたセンサー付きLED電球。 同じ商品でも、この価値って全然違いますよね。
ひとつの商品を提案の仕方で1480円の電球が、その何倍もの価値になりました。(えーと売値は変わりませんよ)
頭の固い電気屋だったら配線工事をして数万円の工事となっていた事でしょう。
後から見る人には『なーんだ!』と思うかも知れない。
コロンブスの卵なんだよね。
いろいろな見地からいかにお客様の要望を叶えるか?
ただ商品を提供するのとは違います。
こうしたいから、この商品を使えばいい。お客様は商品が欲しいのではなく、〇〇したいんだよね。
要望の解決はお客様には出来ない。発想が浮かばない。
そこを提案するのが私のプロとしての役割。
そんな仕事を私はしています。