最近のマンションや戸建て住宅はエアコンの配管が壁に埋め込まれている、隠ぺい配管が多くなっています。
デザイン的にスッキリするので設計において好まれるようです。
でも、施工や、メンテナンスをする私達職人にとっては不評です。
今回10年前のエアコンですが水漏れを起こしていました。
隠ぺい配管なので配管が壁の中です。
確認が出来ません。
手の届くところで対処してみましたが、どうやら配管の途中で詰まっているようです。
8月上旬にご相談を受け、賃貸物件という事もあり、対応は時間かかると思い、とりあえずの応急処置として、排水ホースを外に出し、バケツに受けて使用してもらう事にしました。

こんな感じに右に排水ホースを取り付けました。
本来のホースは左の壁裏に配管されています。
お盆休みが終わり、じっくり調査する時間が作れたので再度調査の開始です。
配管は下におろすのが通例です。 水は高い所から低い所に落ちますからね。
そこで、エアコンの左下の壁を開口しました。

あらら、何もありません。この開口は失敗しました。
建築時の設計図面なんてありません。あったとしてもそれが正確とも思えない。 こういう時に隠ぺい配管って困るんですよネ。
しばし考える。下がダメなら横。

エアコン室内機の右横を探る事にしました。
ケガイタ部分を開口し、壁裏をスマホのカメラで撮影。

よしよし、このスキマを使うとしよう。

こんな感じに穴を開け、外壁も開けてホースを通す事にしました。
もう既存の排水経路は使いません。

ちなみに最初に開けた部分はこのような点検口を設けておきました。

右に開けた穴はスリムダクトを取り付けてカバーしました。
結果はこのようになりましたが、作業に取り組む前はどのようになるか?分かりませんでした。 開口して初めて方針が決まる。
最初の左下を開口して配管が無かったのはショックでした。
ここを開口すれば間違いないと思っていたのでね。
でも、いろいろな事を想定して準備をして来ました。
何か所も壁を開けられないし。
壁の中を調査する機器もあるけど、果たして今回の場合探せたか?疑問に思う。(持ってないので借りる事になるけど)
最終的には経験と勘で解決した感じです。
作業していて、探求心を刺激する面白い現場でした。
でもこういう事ブログに書くと難しい水漏れ依頼が来ちゃうんだよネ。
亀戸の近くなら行きますけど。
解決して住民様も安心し、喜んで頂きました。
私もホッとしています。
ご依頼ありがとうございました。