点検口が無い換気扇の交換の仕方

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トイレの天井埋め込み型のダクト換気扇。 この交換作業で点検口という天井裏を確認する窓が無いと大変苦労します。 
だって、工事を始めないと天井裏の様子が分からないでしょ? 
だから想像するのです。 過去の事例を頭の中の引き出しからいろいろ出して。 
こなっているんだろうな?ああなっているんだろうな? 
それを元に工賃の見積もりをします。 ホントは着手しないと正確な金額は出ないのですけどね。 ここが電気屋業の難しい所。先日の『受ける仕事、断る仕事』でも書いたけど、着手しながら起こるイレギュラーな事を計上できるか? できないなら予め多めに見積もり金額を出したりもします。 気心しれた人ならその事を理解して予算外の請求をしたりもします。 
今回の場合はほぼ想していた通りのけっこう手間のかかる作業でした。 
作業にあたり、換気扇の固定方法を調べます。どこかにビスで止まっていないか?
見当たりません。 そこで、天井に埋め込まれている換気扇の本体の縁際を切っていきます。
マルチカッターと呼ばれる電動工具を使って現在の開口サイズより一回り大きく切っていきます。 
換気扇の縁(業界用語で耳)が見えてきました。 
この手の施工方法ではここでビス止めしている場合が多く、ビスを外せば古い換気扇が撤去できます。 
でもここでビス止めはしていませんでした。 
そこで換気扇を解体する事にしました。 
マルチカッターと、セイバーソーという工具を駆使し換気扇を切り刻んで解体します。 
外れました。 
このように天井からボルトで吊ってありました。 (想定内です) 
ちょっとここで一般の消費者の方も分かると思うので考えて欲しいのですが、このボルトで固定している物を外すとしたら、どういう作業が必要か分かりますよネ。 
このボルトとナットを緩める為にはここに手が届かなくてはいけない。
それなのに。 天井の裏に手を伸ばせる点検口も何もない。 
この換気扇を最初に取り付けた人はそれを分かって居ながらこういう施工をしたのです。
なんとなく想像できます。 ヤッツケ仕事です。 
この現場が終われば、あとは知らない。クレームが来ても10年後だろうから。 
そんな気持ちで施工したのかも知れない。 
無事に古い換気扇が取り外す事が出来ました。 ここまで90分かかったかな。 
あとは取り付けはあっという間です。 
30分くらいで取り付け出来ました。 
着手しないと分からない仕事ってこの業界では多いのです。 
今日も『○○するといくらですか?』って質問が来ました。 
『500円から3万円くらい見てください』と答えておきました。 
これ正直な答え方。 これが具体的に答えられる人はインチキと言います。